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僕らは毎日、幸せをもらっている <7月26日>

2021.07.26

 26日の新聞各紙1面トップは、25日東京五輪柔道で金メダルに輝いた阿部兄妹の記事でした。

 神戸新聞NEXTが伝えた記事に感動したので少し長いですが紹介します。

 『戦っているのは兄妹2人だけではなかった。25日の東京五輪柔道でともに金メダルに輝いた男子66キロ級の阿部一二三(23)と女子52キロ級の阿部詩(21)を、家族は力の限り支えた。

 父は子どもと一緒にトレーニングをして世界一への夢を語り、母は食事や精神面でサポート。強い絆で結ばれた「チーム阿部」の晴れ舞台だった。

 激戦を終えた詩は言った。「やっと2人で少し恩返しができた。感謝の気持ちしかない」神戸市兵庫区の下町、和田岬に生まれ育った一二三と詩。

 父の浩二さん(51)はかつて国体にも出場した元競泳選手だが「体が小さい僕ら夫婦から生まれる子どもたちには、相手と同じ土俵で戦える体重別競技がいい」と柔道を勧めた。

 一二三は6歳の時、地元の兵庫少年こだま会で稽古を始めた。「投げられて投げられて。泣きながら通っていた」と母の愛さん(49)は懐かしむ。あまりに泣きやまないので、長兄勇一朗さん(25)が見守り役で入会したほどだった。

 消防士の浩二さんは当時、一二三とともにトレーニングに汗を流した。よく訪れたのは近所の御崎公園。走って心肺能力を高め、重いボールを投げ合っては体幹を鍛えてきた。

 やがて国際舞台で頭角を現した兄を追うように、詩も夙川高3年で世界選手権を制し「怪物になりたい」と大胆不敵に言い放った。だが、神戸の親元を離れて日体大に進学した時には、1人暮らしの寂しさに押しつぶされそうになった。  

 「だいぶメンタルをやられていた」(浩二さん)という娘が競技に専念できるよう、愛さんが上京して同居をスタート。温かいご飯を用意し、たわいもない話に耳を傾け、世界女王の不安と重圧を和らげた。  

 新型コロナウイルス禍に襲われた2020年は「総力戦」だった。浩二さんは定期的に上京。畳の上で組み合う稽古ができない息子や娘と一緒に200段以上の階段ダッシュに挑んだ。神戸に戻っても毎日10キロを走破。

 「自分もしんどいことをして、プレッシャーを共有したかった」と話す父に、一二三は「一番大きな存在」と信頼を寄せた。

 自国五輪の看板選手に育った息子と娘に「僕らは毎日、幸せをもらっている。感謝しかない」と浩二さん。

 コロナ禍で無観客となった五輪は家族でさえ会場に入ることができず、両親と勇一朗さんは東京都内でテレビ観戦した。

 五輪の東京開催が決まった13年、「兄妹2人で出られたら最高やなあ」と家族で描いた未来図は、日本史上初となる男女のきょうだい同日金メダルという最上の形で現実となった。』

 新聞の写真は首から金メダルをかけ満面の笑顔の二人ですが、家族の支えがあったからできた偉業、本人たちの感謝に「僕らは毎日、幸せをもらっている」と返すお父さんの言葉が印象に残りました。

 金メダルに輝いたお二人とご家族を心から祝福したいと思います。